高崎未来総合大学 学長
高林 金満
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・山口県生まれ
・髙﨑科学大学を中退し、ニートになる。学歴偏重主義に疑念を持ち、学歴に左右されない教育を志す。
・構想をSNSで発信する中、理念に共感した髙﨑未来総合大学理事長より現職を打診され、2023年に高崎未来総合大学の学長に史上最年少で就任。
・口癖は「ブスと馬鹿ほどFランにいけ!」
※画像はイメージです。
高崎未来総合大学(以下、TFU)は、群馬県高崎市に位置し、地域と共に成長を目指す大学です。一般的に「Fラン大学」と呼ばれるカテゴリーに属しているかもしれませんが、その位置づけにとらわれず、「誰でも入れる、誰でも卒業できる」というオープンな理念のもと、多様な学びの場を提供しています。
一見すると、その門戸の広さが大学の価値を薄めているように思われるかもしれません。しかし、TFUの真の魅力は、その「寛容性」と「多様性」にこそあります。今回の特別特集では、TFUが地域社会や学生個々人にとっていかにユニークで価値ある存在であるかをご紹介します。
TFUの最大の特徴は、「誰でも入れる」ことにあります。学歴や偏差値にこだわらず、学びたいという意欲を持つすべての人を受け入れる姿勢を持っています。この寛容な受け入れ基準は、「学ぶ権利は誰にでもある」という強い信念に基づいています。
世の中には、進学や学びの機会を諦めてしまった人が多くいます。その理由は経済的な事情であったり、過去の学業成績であったりとさまざまです。しかし、TFUはそんな人々にも再び「未来を切り開く」チャンスを提供しています。「誰でも入れる」ことは、学びの再スタートを切る第一歩を支える大切な仕組みなのです。
TFUの学生たちは、年齢やバックグラウンドが実に多様です。どこの大学にも入れなかった人、社会人経験を持つ人、さらにはシニア世代まで幅広い層が学んでいます。この多様性は、単に「誰でも入れる」という方針から生まれるものではなく、互いの違いを尊重し合い、それを学びの糧にする文化が根付いていることを示しています。
例えば、講義やグループワークでは、若い世代が持つ最新のトレンドと、社会人経験者の実践的な知識が交わり、新たなアイデアが生まれます。このような多世代交流は、他の大学ではなかなか得られない貴重な学びの機会です。
TFUでは、学生の卒業を全力でサポートしています。「誰でも卒業できる」という方針は、単に卒業基準を低くすることではなく、学生一人ひとりの特性や状況に応じた柔軟な支援を提供することを意味しています。
学業が苦手な学生には基礎から丁寧に教える特別プログラムを、経済的に苦しい学生には奨学金制度やアルバイト支援を用意しています。また、社会人学生には仕事と学びを両立できるよう、夜間やオンラインでの講義も行っています。これらの取り組みは、学生全員が「未来に向けた新たな一歩」を無事に踏み出せるよう設計されています。
TFUは、群馬県高崎市という豊かな地域資源に恵まれた土地にあります。地元の企業や自治体と密接に連携し、地域活性化プロジェクトやインターンシップの機会を提供しています。これにより、学生たちは実社会での経験を積むことができるだけでなく、地元経済や社会への貢献を果たしています。
例えば、高崎市の観光産業を支える企画プロジェクトや、地域農業を活性化するマーケティングプランの提案など、学生たちは実践的な活動を通じて地域の課題解決に取り組んでいます。これらの活動は、学生たちにとって「学びを社会でどう活かすか」を考える貴重な機会となり、同時に地域にとっても新しい活力を生むものとなっています。
「Fラン大学」という言葉には、しばしばネガティブなイメージがつきまといます。しかし、TFUはそのレッテルを逆手に取り、「学びの可能性を広げる大学」として独自の地位を確立しつつあります。偏差値やランキングだけで評価される時代は終わりつつあり、人々は今、個々の能力や可能性を引き出す教育機関に注目しています。
TFUでは、学問だけでなく、人生そのものを学ぶ場としての役割を果たしています。ここで得た知識や経験は、単なるスキルアップにとどまらず、学生たちの生き方そのものに影響を与えるものです。「Fラン」という枠組みを超え、学生一人ひとりが自分の価値を見つけられる大学――それがTFUの真髄です。
最後に――未来へ向けて歩む全ての人へ
TFUは、学問や偏差値だけでは計れない「人間の可能性」に焦点を当てています。「誰でも入れる、誰でも卒業できる」という理念の裏には、「全ての人が学び、成長できる」という強い信念があります。地域に根差し、多様な人々が集うこの場所は、まさに「未来への扉」です。
TFUは、学びに遅すぎることはない、諦める必要はないというメッセージを全ての人に送り続けています。この大学での学びが、学生たちにとって新たな可能性を切り開く一歩となることを信じてやみません。